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新しい不整脈治療:NOAC

新しい不整脈治療:NOAC

心臓が「ドコドコ、ドコドコドコ、ドコドコ」などと存在感を示して不安になったことはありませんか。そうです、これが不整脈です。病院で診察を受けるとほとんどの場合に「心臓のしゃっくりだから心配ありません」と診断されることと思います。しかし、これが心房細動の発作である場合は注意が必要です。脳梗塞を起こして、お亡くなりになったり活動が制限されたりする事態となりかねません。サッカーのオシム元監督、プロ野球の長嶋元監督の発病でも有名になりました。治療としては、少なくとも不整脈で死なないようにするためには脳梗塞を起こさないようにすれば良いのです。

そのための方法は主に三通りあります。①薬を飲んで血液をさらさらに固まりにくくする、②不整脈が起こらないようにする、③血栓ができる心臓の一部(心耳と言います)を切除する方法です。すぐ確実に実施できるのは①の血液を固まりにくくする薬、抗凝固薬を飲むことです。

最近、新しい経口抗凝固薬(NOAC:ノアック)が使えるようになりました。今まではワーファリンという安価で良いお薬を使っておりましたが、何せ納豆が食べられません。緑の野菜も自由には食べられませんでした。新しいお薬は、毎日しっかり飲まないと効果がでませんが、嬉しいことに脳出血の副作用を減らすことが出来ました。

病院・診療所では、まず心房細動を起こしていることが確認された場合にCHADS2スコアを計算します。つまり、C:心不全、H:高血圧、A:75才以上、D:糖尿病、S:脳卒中のある方は内服を勧められます。加算して高得点の方は血栓の危険度がより高くなるので内服する覚悟をしっかりと決めて下さい。病状に応じて医師が4種類のNOACから選んで使います。不整脈以外に狭窄性弁膜症があったり、人工弁術後であったり、腎臓が悪かったりする場合はやはりワーファリンが最適である場合もあります。

新しい不整脈治療:NOAC

NOACは何よりも内服後の血液の固まり具合を調べる血液検査を必要としないため、安定したらお近くのかかりつけ医から処方してもらうことが可能なところは重要なポイントです。

70才を越えると1割の方が心房細動になると言われております。全く無症状の患者さんも多数ありますので、75才を越えて胸騒ぎがしたら、少し心臓の精密検査をすることをお勧めいたします。

日野市立病院 井上 宗信先生
平成27年9月

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